ソフトボール独特のルール

   1.用 具    
   2.競技場    
   3.ダブルベース 
   4.投 球    
   5.離塁アウト  
   6.リエントリー 
   7.タイブレーカー

1.用具
 1.投手用グラブ
   一色であること。又、灰色・白色は使用できない。
 2.野手用グラブ
   外観上、球と見間違うような色彩は使用できない。

 3.靴
  1.靴の底は滑らかなものか、軟らかみのあるものか、硬いころび止めのあるもの。
  2.金属製のスパイク、または硬いころび止めは靴底からの高さが1.9cm以内
    のものが使用できる。(ユース<19歳以下>は金属製スパイクの使用を禁止する)
  3.円型の金属スパイク(ゴルフシューズ・陸上用スパイクなど)は使用てはならない。

 4.ヘルメット
  1.危険防止のため、打者・打者走者・走者・捕手・次打者席にいる次打者・高校生以下
    の一・三塁のべ一スコーチはヘルメットを着用しなければならない。 また、どの守
    備者でも同色のヘルメットを着用してよい。一・三塁のべ一スコーチも着用すること
    が望ましい。
  2.ヘルメットは本協会で検定したもの(JSAのマークが入っているもの)を着用しな
    ければならない。(ただし、捕手用ヘルメットはこの限りではなく、本協会の公認した
    ものを着用することが望ましい)

   「べ一スコーチ」とは、自チームの選手をコーチズボックスの中から指示することがで
   きる攻撃側の一員である。べ一スコーチは正規に登録された監督・コーチ及びプレイヤー
   でなければならない。人数は2人で、おのおの一塁側・三塁側のコーチズボックス内に
   いることとする。2人のべ一スコーチのうち、1人はコーチズボックス内に記録のため
   の用具を持ち込んでもよい。

  3.審判員の指示にもかかわらず打者・打者走者・走者が着用しないときは「アウト」になる。
  4.プレイ進行中にヘルメットを意図的に脱いではならない。
  5.亀裂等で安全性の損われた打者用ヘルメット及び不正に改造したヘルメットは使用でき
    ない。

 5.スロートガード付マスク
  危険防止のため、捕手はスロートガード付マスクを着用しなければならない。
  (準備投球のときも着用しなければならない)

 6.ボディプロテクター
  危険防止のため、女子の捕手はボディプロテクターを着用しなければならない。
  男子も着用することが望ましい。

 7.レガース
  危険防止のため、捕手は膝当て付きのレガーズを着用しなければならない。その場合、
  両足に着けること。
  (注)危険防止のため着用する用具は本協会の公認したものが望ましい。

 8.服装
  1.同一チームの監督・コーチ・プレイヤーのユニフォームは同色・同意匠、でなければ
    ならない
  2.ショートパンツを着用する女子チームの監督・コーチは上衣は同色・同意匠、ズボン
    は同色であればよい。スライディングパンツはユニフォーム(ショートパンツ)の内側
    に着用し、同色でなければならない。
  3.サポーターやリストバンドを使用する場合も同色でなければならない。
  4.アンダーシャツは着用してもよいが、同一チームのプレイヤーは同色のアンダーシャ
    ツを着用しなければならない
  5.清潔なものを着用し、袖口がほころびたものや裂けているものはいけない。
  6.背中と胸下に登録番号を付けなければならない。
  7.監督は30番、コーチは31番・32番、主将は10番、他のプレイヤーは1番から25番
    までの番号とする。数字の大きさは背中は15cm以上、胸は6p以上12p以下とする。
  8.ユニフォームの背中は背番号と個人名のみとする。個人名を付ける場合は背番号の
    上部にローマ字で全員が付けること。
   (注)高校生以下の試合では背中に付けるのは背番号のみとする。
  9.危険防止のため、試合中のプレイヤーは腕時計・ブレスレット・ネックレス・イヤリング・
    その他、危険と思われるものを着用してはならない
  10.男子は全員同一の帽子をかぶらなければならない。
  11.女子の帽子・バイザー・ヘッドバンドの着用は自由である。同色・同意匠であればこれ
    らを混用してもよい。

 9.バット
  バットの長さ/86.4cm(34インチ)以内
  バットの重さ/1077g(38オンス)以内
  太い部分の直径/5.7cm
  材質/木、竹、カーボン、合金、セラミック等各種。ただしチタンは禁止
  安全グリップ/バットのグリップエンドから25.4〜38.1cmの範囲で滑り止めのテープを
  巻くことがルールで定められている。

 10.ボール
  ボールの重さ/6.5 〜7オンス(177.5〜198.8g)
  ボールの大きさ(円周)/12インチ(30.2〜30.8cm)
  ※2002年からISF(国際ソフトボール連盟)主催大会では、従来の白一色のボールに
  加え、黄色に赤ステッチ(革の部分が黄色で縫い目の部分が赤色)のボールも使用さ
  れることが決定している。

2.競技場
 1.本塁から外野フェンスまでの距離
  ISFルール(国際ルール)では、女子が220フィート(67.06m)以上、男子が250
  フィート(76.20m)。野球のように右中間・左中間のふくらみや左右両翼と中堅との
  距離の違いはなく、すべて本塁から外野フェンスまでの距離は一定である。
 2.投・捕間の距離(投手板から本塁までの距離)
  女子が43フィート(13.11m)、男子が46フィート(14.02m)
 3.投手板
  半径8フィート(2.44m)のピッチャーズサークルがあり、平坦でマウンドはない。
 4.塁間
  18.29m

3.ダブルベース
 一塁ベースは38.1×76.2cmの大きさで、白色の部分(白色ベース)をフェア地域に、
 オレンジ色の部分(オレンジベース)をファウル地域に固定する(ファウル地域に置くベース
 はオレンジ色が一般的だが他の色の場合もある)。
 打者は投球を打ったり、第3ストライクの落球で一塁に走り、プレーが行われるときはオレンジ
 ベースを走り抜け、守備者は白色ベースを使用する。一塁でプレーが行われないとき、または
 一塁側のファウル地域からプレーが行われるときは両者どちらを使用してもよく、いったん走
 者となり白色ベースに帰塁したあとは、従来通り白色ベースのみを使用する。

4.投 球
 野球では投球フォームについて、セットポジション、ワインドアップポジションの他は厳しい
 規定はない。ソフトボールでは投手は打者に対して、野球でいうアンダースローに近い形で
 投球するが、野球のアンダースローとの違いは、手と手首が必ず体側線を通過しながら球を
 離さなければならないという点である。

 1.ウインドミル
  もっともポピュラーな投げ方で、風車のように腕を大きく1回転させ、その遠心力を利用して
  投げるため、大きなスピードを得ることができる。腕の回転は1回に制限されており、打者を
  幻惑させるために何回転も腕を回すことは禁止されている。
 2.スリングショット
  ソフトボールの“原点”ともいえる投げ方で、時計の振り子のように腕を下から振り上げ、そ
  の反動を利用して前方に振り戻して投げる投法。ゴムのパチンコ(スリングショット)の動き
  に似ているのでこう呼ばれている。変化球を投げるには不向きであり、ボールの握りが常に
  打者に晒されてしまうため、現在ではほとんど見られなくなった。

 3.正しい投球準備動作
  1.投手板を踏むときは両足を投手板に触れていなければならない。
  2.捕手のサインを見るときは、
    @両足を投手板に触れる。
    A両手を離す。
    B片手に球を持つ。
    (注)捕手が捕手席にいないときは、投手は投球位置にいるとはみなさない。
  3.投球前には、
    @一塁と三塁に両肩を合わせる。
    A身体の前面で球を両手で持つ。
    B1秒以上10秒以内、完全に停止する。

 4.正しい投球動作
  1.打者に対して下手投げで、手と手首が体側線を通過しながら球を離さなければならない。
   (注)手は腰の下にあって、手首はひじよりも身体から遠く離れないようにしなければな
   らない。
  2.打者に対して自由足を一歩前方に踏み出すと同時に投球を完了しなければならない。
    「自由足」とは、投手が投球するとき、前方に踏み出す足をいう。
  3.自由足を踏み出す範囲は、投手板の前方延長線でなければならない。
  4.投球動作に入るとき、軸足が投手板を離れなければスライドしてもよい。
  5.投手が投球するとき、「軸足」は地面から離してはいけない(自由足が前方に着地する
    まで)
   (注)軸足が右足のときには踏み出す足は左足で、投球する手は右手であ
る。軸足が左足の
    ときには踏み出す足は右足で、投球する手は左手である。
    「軸足」とは、投手が投球するとき投手板を蹴る足をいう。

 5.投手が足を投手板に触れた後、投手板を外すことができる場合
  1.走者が塁を離れているとき。
  2.打者が打者席を出たとき。
  3.アピールプレイをしようとするとき。
  4.突発的事情で投球できないと審判員が認めたとき。

 6.投手板の外し方
  投手が投手板を外すときは、両手を離す前に片足を必ず投手板の後方に外さなければ
  ならない。そして他方の足も投手板の後方に外さなければならない。
  投手は、投球のために投手板に足を触れた後、投手板に足を触れたまま塁に球を投げる
  ことはできない。

5.離塁アウト
 ソフトボールでは、投手の手から球が離れるまで、走者は塁を離れることを禁止されており、
 リードが認められていないため、“投手の投球モーションを盗んで盗塁成功”といったこと
 は起こりえず、バッテリーにミスがなければ盗塁はなかなか成功しない。ただし野球と違って
 バントが多用されるため、一塁手と三塁手がベースより前に位置するような前進守備 をして
 いることが多く、“三盗”を狙うケースは多い。フォーメーション上、三塁手がベースに戻るのか、
 遊撃手がベースカバーに入るのか、右打者・左打者によっても変わりミスが生じやすい。また
 そのミスが得点に直結することが多く、イチかバチかで“三盗”を試みるケースは多い。

6.リエントリー(再出場)
 ソフトボールでは’79年に「リエントリー(再出場)」が採用され、スターティングプレーヤーは
 いったん試合から退いても、一度に限り再出場することが認められている。再出場する場合
 には、元の自分の打順に戻らなければならず、それに違反するとその選手と監督が退場に
 なる。

7.タイブレーカー
 これは文字通り、勝敗を早く決定するためのルールである。ソフトボールの正式試合は7回
 と定められており、同点の場合、8回の表からは前回最後に打撃を完了した選手を二塁走
 者とし、無死二塁の状況を設定して、打者は前回から引き続く打順の者が打席に入る。
 その裏も同様に継続し、勝負が決するまでこれを続けていく試合方式である。なおタイブレー
 カーの二塁走者に代走を送ることは、ルール上問題ない。